マスターは眠そうである

2009年02月02日

そろそろ閉店時間だが、一組のお客が残り、話し込んでいる。
「そろそろ帰りましょうか...」という雰囲気ではない。

常連客というより、心を許しあってる女友だちと、来店二度目のお客、二人がまだ残っている。
彼等はもう5時間以上も酒を飲みながら、尽きないお話をしているようだ。

マスターが目立たないように片づけをし終わったころ、さすが心を許しあってる友だち。
「お勘定してもらっていいですか」

精算が終って、お連れがトイレに行ってる間に、彼女がポツリ。
「最後はマスターと二人で話して〆たかったんだけどなぁ......」
「んっ、いいよ、いっしょに帰って、一杯だけどこかに寄ろうか?」
ー眠いくせにねぇー
「いいの?」
「大丈夫!じゃぁ、もう少しで終るから、ちょっとだけ待っててな」


お連れさんと途中で別れて、朝までやってるBar SMOKE のカウンターに。


「何日か前に別のところで会ってさ、彼が一度行ったことのある 土 に行こうと言うんで、
今日いっしょに飲んだんだけど......興味深い話はあったんだけど......
彼、自分の世界に私をかなり強引に引き込もうとするから、ちょっと疲れちゃったぁ」

「ふ~ん、それはオルグに近いかもな」
「オルグって?」
「創価学会の折伏(しゃくぶく)のようなもんさ」
「創価学会って、そこまで言っちゃあ彼がかわいそうだよ」
「いや、創価学会がいいとか悪いとか、彼が創価学会とかということじゃなく、オルグという行為が折伏に似てるということさ」


彼との話の内容の分析が大方終ったころ

「私どうしたらいいの?」唐突に彼女は聞く。
「ん? 好きになった彼のことか?」
「そんなのもう終ってるの、そんなことじゃない」
「仕事?」
「うんん、そんなことじゃない。私どう生きればいいの? 苦しいんだよ」
「............」
(そんなこと急に訊かれてもなぁ、それって、哲学の問題?)


「Cocco の「大丈夫であるように」を観に行ったんだ。
Cocco は人の痛みを知ろうとし、人の痛みを自分の中に引き受け
唄を歌い、それでも尚、病にかかり入院してる。
わたしには何ができるの?」

「......う~ん............
あなたは充分生きてるよ。ぼくはあなたを尊敬してるよ」


「泡瀬埋め立てと辺野古の基地建設を、私、結び付けようとしたけど、ほとんど何も出来なかった。
東門さんは公金支出を差し止め判決に控訴なんて、私たちの期待とは真逆なことをするしなぁ」

「東門さんは泡瀬埋め立てを止めると言ったわけじゃなく、市民と共に考え直すと言っただけだし。
議会の問題が大きいけど、それにしてももう少しやりようはあると思うけどなぁ......」


「オバマにも期待したんだけど、あの人イスラエルの暴虐に対してほとんど何にもしてないでしょ」
「アメリカのユダヤの力は巨大だからねぇ、難しいだろうねぇ。それにしてもオカシイのは国連さ。
パレスチナの人たちが住んでるところに、イスラエルの建国を認めたんだからね。
それからだよ、あそこが無茶苦茶になりだしたのは」


ーマスター半分眠りながら、問題は果てしなく続くー


「わたしはパレスチナの人たちにも、高江の人たちにも、何一つできないんだよ。
苦しいよう......」
ー彼女は酒を飲みながら、泣いているー


「今、あなたは充分生きてるよ。
ただ、ぼくたちは絶望だけはしないでおこうよ。
今できないからといって、将来もできないということじゃない。
今の状態が、未来永劫に続くわけじゃない。
今、すぐに希望は持てなくても、未来に希望を持ち、やりつづければ、必ず変わる。
その希望を信じ、今を生きるしかないんじゃないか。
それは個人についても世界についても、同じように言えるんじゃないだろうか。
それにしても
今は
とにかく眠い
帰ろうよ」
と、マスターかなり強引にお勘定を済ませてしまう。

ー眠気には勝てないのであったー


tsuchi│2009年02月02日 01:11 │コメント(6)TB(0)

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この記事へのコメント
ブログ開設おめでとうございます!
Chojiさんとのコラボなんですね~
TOP画像、さとうきび畑でしょうか?いいですね。

そしてみんな、くるしみの真っ只中なんですね・・・
生きるって、逃げないで今をただ懸命に越えることかな。

でも、睡魔くんからは誰も逃げられないようで・・・
マスター、眠かったんですね~。
Posted by kamome at 2009年02月03日 15:17
kamome さん

ありがとう。
そう、TOP画像、さとうきび畑です。
沖縄で車を走らせれば、こういう風景によく出会います。

みんな、それぞれに、くるしみを抱えていますね。
それを全て受け止め引き受けるのは不可能でしょうね。
かといって、知らねえよ、と言ってしまっては......

ちょっとオチが強引すぎたかな?
Posted by tsuchitsuchi at 2009年02月04日 12:02
一瞬、自分のことかと思って、「え、私行ったっけ?」と思ってしまいました。

まさか、体は九州においといて、心だけそっちいっったとかいな?なーんて。

辺野古と高江とパレスチナのために泣けるひと、すばらしい!!絶対身内だな。

でも、きっと私より純粋なひとなんだろう。だからきっと苦しいんだよね。

でも、ごーさんが言ったことがあたりなんだと思う。どんなにいろんなことが起こっても、目の前の日々を懸命に生きる。きっとそれしかないんだよね。


私の時も、きっと眠かっただろうに。つきあってくれてありがとね(笑)

素直に眠いといえるところが、また、人間くさくてよかたい。

SMOKE、またつきあってください。
Posted by べあーはんど at 2009年02月05日 01:43
べあーはんどさん

今度紹介しましょうね。
べあーはんどのほうがずっと若いよ。

Cocco は勿論すごいけど
彼女の生き方も語りつくせないほどすごい。
有名無名を問わず、いろんな人がいて、この世は楽しい。

ぼくはべあーはんどの可能性もすご~く楽しみにしてるんだ。
Posted by tsuchitsuchi at 2009年02月05日 11:27
「BAR土」最近行ってません・・・ごめん!
「BAR土」ごうさん会ってません・・・あいてー!
「BAR土」二階ギャラリー・・・まだか!
「BAR土」写真UPまだかな・・・はよせ!


こんな感じだ
Posted by choji at 2009年02月05日 17:28
choji さん

少しでも時間ができれば「BAR土」に
毎日でもぼくに会いに「BAR土」においで。
「BAR土」二階ギャラリー・・・もう少しです。
「BAR土」写真UP 早くしたいけど、ごうさん は未熟者です。

こんな感じかな?
  ごう
Posted by tsuchitsuchi at 2009年02月09日 18:00
 


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